与太郎の奏でる音楽

出来事を文字にして白地の空間に毎日投げ込む

「ヒャッ」と小声で

10年とは言わないまでも少なくても7年以上ぶりに天下一品でラーメンを食べた。
一時期は狂ったように毎週夜中に自転車を漕いで最寄りの天下一品でこってりを食べていたが、さすがにそんな体力は無くなって随分とご無沙汰になってしまった。
久しぶりだし、と思いこってりのラーメンにライス(並)を頼んだ。
ドロっとしたスープを飲んで懐かしい気持ちになった。
そうだこれこれこのまったりと口の中に残るこってりの味こそ天下一品だとなった。
食べ始めて最初は麺も少ないように感じで意外と軽々といけてしまうかもと思ったが、そんな訳はなかった。
麺8割、ご飯3割食べた辺りから一気にズシンとこってりの重みが身体にやってきた。
黒烏龍茶も併せて頼んでいたのと、付け合わせできたたくあんに助けられた。
めっちゃ美味しかったけれど多分あと7年は行かなくてもいいかもしれない。
7年後の自分はさらに食べられなくなっているだろうけど。
映像研には手を出すな!』で「ラーメンライスは社会通念上許容されるものではありません」というセリフがあった。まじでそう思った。

🍜🍚

社会通念上許容されないものを食べたせいでお腹がパンパンになってしまったので、5駅ほど歩いて帰った。
日中雨がザーザー降っていたので大きめの傘を持って出たが、結局すぐに止んでしまい、ただ傘をお供にしている人になってしまった。
ビル風のせいか風がやたらと強い。身を低くしてやっと歩けるくらい強い時もあった。
人気のない大きめの街道を歩いている時にふとこれで傘乾かせるんじゃないか?と思い、閉じていた傘を巻いていたテープだけを外し、風に当てる感じで歩いたのだが、ビニールの部分が風にビシバシ吹かれ、傘が鶏ガラみたいになっていた。
設定のイカれた乾燥機にかけたみたいだ。でも7割くらいは乾いたので、良しとする。

🌂

さらば、わが愛/覇王別姫』の4Kリマスター版の上映を見て来た。

youtu.be

見たい見たいと思って見逃してきた映画だったので劇場で見られてうれしかった。
3時間近くある作品だったが、とても力強い映画で時間を忘れるくらいにのめり込んで、気づいたら終わっていた。
時代に翻弄される2人の役者を中心に愛憎と裏切りと表現と政治を京劇の中に落とし込む見事な作劇の映画だった。
私の後ろの席の方が、リアクションが漏れ出てしまう人で、スッポンを捌くシーンがあるのだが、そこで「ヒャッ」と小声で叫んでいて、確かに自分も映画館じゃなかったら声出てたなと思ったりした。
その後も笑えるシーンで「アハハ」と笑ったりしていて、非常に良い空気を生み出していた(これ独特の間合いの人だとすごくノイズになってしまうのだ)。
上映後には自然と拍手が起こっていて、トーク付きの上映とかではないのに拍手が起こる上映に出会したのは久しぶりだった。私も自然と拍手をしていた。
映画の持つ力を身をもって体感した。こんな物語を書きたい。書くぞ。