与太郎の奏でる音楽

出来事を文字にして白地の空間に毎日投げ込む

ゆらゆらゆれる線でぐりぐり動く

黒沢清監督の新作『Chime』が発表された。
Roadsteadという新しい配信サービスのオリジナル作品の第1弾らしい。

natalie.mu

「主人公の松岡卓司は料理教室の講師をしているが、生徒・田代一郎が「チャイムのような音で、誰かがメッセージを送ってきている」と不思議なことを言い出す。さらに別の日、田代は「僕の脳の半分は入れ替えられて、機械なんです」と言い出し、それを証明するため驚くべき行動に出るのだった。」

なになになんなのこのあらすじ。最高。絶対見る。

👀

『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』を見てきた。

youtu.be

ちょっともう、びっくりするほどよかった。
序版は説明セリフが多くちょっと自分に合うか心配だったが、ある村に着いてからは市川崑監督の『犬神家の一族』のような(というか意識的にトレースした)設定で、画角やセリフの速さ、編集テンポも市川崑監督イズムを感じるものだった。
そして途中で大規模な戦闘シーンがあるのだが、そこのアニメーションが素晴らしかった。
ゆらゆらゆれる線でぐりぐり動く、でも見やすいしめっちゃドキドキする戦闘シーンは新鮮だった。
そして何より終盤の展開。
それまでも戦争の悲惨さと家父長制のおぞましさを描いていたが、その極点に達した時の悲劇。
そしてそれまでそれを乗り越えられなかった男がどんな行動にでるのか。
正直そこからエンドロールが終わるまで、涙が止まらなかった。
今まさに見てほしい作品だ。ぜひとも劇場で。